*photo.16b*「カンタ。語りすぎるトモダチ。」 doll top

聞いてくださいますか。

ある日、気の毒な身の上・・・・・と申すモノがころがりこんできた。

娘:
わたしくし、産まれてからすぐに桃に詰められ、そのまま川にどんぶらこっこすっこっこ・・・と流され、
とある親切かどーか分からぬお婆さんに拾われ、あやうく出刃包丁で真っ二つにされそうなところを、
命からがら逃げまくり、
途中で出会った娘さんたちに拾われたと想ったら、毎日灰かぶりになるほど働かされて、
わたくしだけ舞踏会にも行けずひとり泣いておりましたら、
鏡の中から誰かが
「この世で1番美しいのはだぁれ?」なんて聞くもんだから、「そんなの知るかッ!」とその家を出まして、
ぼろぼろなわたくしを亀が哀れに想い、
竜宮城へ来るといい・・・なんて言うもんだから、ついていこうとしたら、「海の中」だっていうじゃありませんか。
「両生類じゃねんだよッ!」とその場を立ち去るわたくしに
優しく声をかけてくださった方・・・・なんているはずもなく、わたくしはひとりたくましくマッチを売りながら
今日まで生き延びてまいりましたの。

カンタ:
・・・・・・うむ。それで明日は目印のパンがなくなり、家へ帰れなくなるのじゃな。

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2002(C)Photo by Usagiya Honpo

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